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No.17 Rikisha Driver in south India





人力車の運転手だよ


俺の仕事だろ?

この人力車で仕事をしてるんだ


他の仕事を掛け持ちしたことはない

ずっとこれ一本でやってきた


朝から夕方まで 漕ぎっぱなしだよ

まぁ朝に何人かを乗せた後

この人力車の中で昼寝は取るぞ

どうせ昼下がりは客も拾えんからな


今年で58歳になるが

他の仕事をしたことはない

もうかれこれ35年も

この仕事をやってきたんだ

酸いも甘いも噛み分けてきたさ


今ではこれ無しに食べていくことは

できないってだけで

もし カネに困っていなければ

もうこんなマネはせんよ


でもそうもいかん

乞食になるつもりも無いんでね

だから身体を使う大変な仕事だけど

食べるために仕方なく

いまだにやってるってわけさ


この仕事で大切なのはそうだな

2,3人のグループを拾うことだ

そうすりゃ10から20ルピーは

多くもらえるんだ


ほんとそんなもんよ


特別なことがない限り

客とは口を利きたくないし

家に戻ったって

俺には家族なんてない

誰が待ってるわけでもないんだ


この仕事をしていて

幸せなことなんて無いよ


時には1日で

50ルピーにもならない日があるんだ

これのどこが幸せなんだ


100ルピーとか150ルピーなんて

滅多に稼げない


まぁ強いて言うなら

俺が幸せなのはそうだな

休みの日にブラブラと過ごせる時と

この人力車の中で昼寝を貪れる時だね


こんな仕事で

誰も幸せになりゃしないんだよ 誰もな


それによ 仕事なんて誰だって

何かしらの悩みを抱えてやるもんだろうよ


Rikisha Driver in south INDIA summer 2018

www.monologue365.jp

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